エール






ウチの高校はちょっと普通とは違う。
っていうか、絶対に違う。
だって、普通は“教師と生徒の恋愛”っていったらご法度だし、あんな大っぴらなのなんて常識的にありえない。
もっとすごーく大問題になっちゃったりして“禁断”めいているものだと信じてた。

でもウチの高校にはソレがごくごく普通に存在する。


それが、「ちーちゃん」こと長谷川千鶴先生とウチのクラスの久我くんだったりするのよね。
そしてこれは、学校中の周知の事実でもある。


2人のカンケイはずっと久我くんの片想いだったんだけど、最近変化が生じた模様。

つまり・・・。

ちーちゃんが久我くんの気持ちを受け入れたって事・・・だと思う。
さすがに断言しちゃうのは問題ありかな?って思うから曖昧な表現になるけど・・・。

実は。
私は久我くんが片想いの頃からこの2人の仲を応援していた一人だったり・・・。
ずっと、「2人が上手くいったらいいな〜」って思ってた。

ちーちゃんは新卒で赴任してからすぐにみんなの人気者で私も大好きだった。
でも・・・久我くんは違った。
私はずっと、久我くんという人がどういう人なのかよく判らなかったし、近寄りがたくて話したりすることもなかった。
まぁ今だって、話す機会なんてほとんどないんだけど。

でも、久我くんは変わった。
それは言うまでも無くちーちゃんのお陰だ。
久我くんは明らかに感じが良くなったし、表情も優しくなった。
私はそんな久我くんに助けてもらった事もあったし。
以前だったら絶対にありえなかったと思う。
そういえば結構ビックリしちゃって、あの時はまともにお礼も言えなかったなー。

でもホント・・・ビックリしたよ。
みんなにはつい茶化す感じで、

「あたし惚れそうになったわよっ」

・・・な〜んて言ったけど・・・。
ちょっとだけ・・・本当にちょっとだけだけど、本気で好きになってたのかもしれない。

だからちょっとだけ、ちーちゃんが羨ましい。
見ていて思ったんだけど、案外久我くんは独占欲とか強いみたい。
このあいだ泉も、「馬鹿男共にちーちゃんは自分のモノだってアピールしてる」とか言ってたし・・・。
そういうのも、何かいいな〜って思えちゃう。
何だか複雑。
これってつまり、「ちーちゃんを好きな久我くん」も好き(?)ってことだもんね。
でも我ながらかなりイカしてる気がするわ(笑)。


久我くんがちーちゃんのことを、本当に本当に大切に思っているのがよく判る。
これは私の、久我くんに対する“ひいき目”なのかもしれないけど・・・。
ちーちゃんにも、これからはもっともっと久我くんを大切に思ってほしいな。
ちーちゃんはみんなに優しいけど、久我くんには特別に。


“教師と生徒”な2人だから、これから先、揉め事に巻き込まれる事もあるのかもしれない。
だけど、私はずっと、この2人を応援していきたい。

やっぱりこの2人には、2人で幸せになってほしいからねっ。



END.

2003/09/02



− あとがき −
え〜・・・。いきなり何を書いているんでしょうね私は(笑)。誰視点かわかりましたか?
つーか、わからないと本当に訳わかんない話なんですけど・・・。これは、柏木さん視点ということで書いてます。
柏木さんが誰かわからない!という其処のあなた、2巻収録4話参照でよろしくお願いします(笑)。
で、ですが。彼女が勝手に久我くん片想い妄想ということで話は進んでおります(マテ)。もう言いたいことはそれくらいですね〜うん。
この話の彼女は半分は私です。ちーちゃんを好きな久我くんが好き、の行あたりが。

BACK